医療の勉強はたくさんしてきたのに、お金の勉強はほとんどしないまま働いてきた——。これは、私自身を含めて、多くの医療職に共通する話だと思います。
税金、保険、年金、家計。生活の土台なのに、誰も教えてくれない。そんな「お金の基礎体力」をつけるのに、私がちょうどいいと感じているのが、FP(ファイナンシャル・プランナー)3級と簿記3級という2つの入門資格です。今日はその理由を紹介します。
はじめに。この記事は一般的な学びの紹介で、特定の金融商品や投資をすすめるものではありません。また、試験の制度や内容は変わることがあるため、受験を考える際は必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。
なぜ「資格」なのか——地図が手に入るから
お金の知識は、本やネットでも学べます。ただ、断片的に集めると、どうしても偏りや抜けが出ます。
資格のいいところは、「これだけは知っておくべき」という範囲が、体系的にまとまっていることです。合格そのものより、全体の地図が一枚手に入ることに価値があります。医療職が解剖学で体の全体像をつかむのと同じで、お金にも“解剖学”があるわけです。
FP3級:生活のお金の「全体地図」
FP3級で学ぶのは、ざっくり言うと「一生のうちに出会うお金の話、ぜんぶの入口」です。
- 税金のしくみ(給与明細の中身が分かるようになる)
- 社会保険・年金(自分が何にいくら払い、何に守られているか)
- 保険の考え方(何のために・どこまで必要か)
- 資産形成・住宅・相続などの基礎
医療職に特にうれしいのは、社会保険や公的制度に強くなることです。自分の給与明細や、傷病手当金のような「いざというときの守り」が読めるようになるのは、働くうえでの安心感に直結します。
簿記3級:お金の流れを読む「文法」
一方の簿記3級は、お金の出入りを記録して読むための“文法”です。会社のお金の流れを扱う資格ですが、効き目は仕事の外にも広がります。
- 家計:収支を「流れ」でとらえられるようになる
- 副業:小さく何かを始めたとき、帳簿の考え方がそのまま使える
- 職場の見え方:病院やクリニックも経営体。「収益と費用」の目で職場を見られるようになると、組織の動きが少し立体的に見えてきます
私は、専門資格に“もう一本”を足す掛け算をおすすめしていますが、簿記はその「もう一本」として、どんな仕事とも掛け算しやすい万能選手だと感じています。
→ 専門資格+もう一本。技師を約20年やって実感した“掛け算”の効きかた
どちらから始める?
迷ったら、こんな選び方でいいと思います。
| 気になること | 向いている入口 |
|---|---|
| 給与明細・保険・年金・家計をまず分かりたい | FP3級 |
| 副業や数字の読み方、職場の経営が気になる | 簿記3級 |
| どちらも気になる | 生活に直結するFP3級から |
どちらも入門級で、専門外の社会人が独学で挑戦しやすいとされる資格です。最近は自宅近くの会場でパソコンで受けられる方式も広がっていて、以前より挑戦しやすくなっています(方式や日程は変わることがあるので、公式サイトで確認してください)。
「合格」より「読めるようになる」が目的
大事なのは、資格を取ることそのものではありません。給与明細が読める。保険を自分で考えられる。職場のお金の流れがなんとなく分かる——この“読める感覚”こそが、お金の基礎体力です。
テキストを1冊選んで、通勤や休憩のスキマ時間に少しずつ。医療職の学び方として、それで十分届く範囲です。私自身、「もっと早くやっておけばよかった学び」の筆頭がこれでした。
医療の専門性という一本に、お金の基礎というもう一本。足すのに遅すぎることはありません。気になったほうから、のぞいてみてください。
※本記事は個人の体験に基づく一般的な情報です。効果や合格を保証するものではありません。特定の金融商品・投資判断をすすめるものではなく、試験制度・内容は変わることがあるため、最新情報は各試験の公式サイトでご確認ください。

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